「売上は全てを癒す。」という言葉は聞いたことがないでしょうか?現イオングループの創業者の格言です。今回はベンチャー企業において、この格言がよく文化として使われるが、その脆弱性の側面を伝えたいと思います。
売上が全てを癒すと呼ばれるワケ

「売上が全てを癒す」という言葉は、一見正しいように思えます。実際、私も創業メンバーとして働いていた時はこの言葉を鵜呑みにしていました。ただしこれは実は、ごく限られた対象範囲と期間に限る話です。
- 対象範囲:主に代表や株主など、企業の成果に応じて恩恵が分かりやすい人たち。
- 期間:その売上が実際に上向きの時にのみ有効
冒頭で記載したようにこの言葉は創業者にとっては間違いないでしょう。多くの創業者は仕事に全てを費やし、自分の子供のように育ててきた会社が売上を上げればどんな辛いことも解決できるように感じるでしょう。
ただプレイヤーにとってはどうでしょうか?代表や創業者が「売上が全てを癒す。」と思うのは自由ですが、全てのプレイヤーや社員にとって、この言葉を企業文化として押し付けることは組織崩壊の第一歩となる諸刃の刃であることを認識しておく必要があります。
組織が崩壊するまでの流れ
「売上が全てを癒す。」という考えのもと経営を進み続けるとどのような影響が出ていくのか図で解説します。
原因:売上拡大に伴い人材の採用や登用による失敗や教育体制が未整備であること

では、組織として崩壊しないためにどんなマネジメントをしていく必要があるのか次に解説します。
ワークマネジメントとピープルマネジメントの使い分け
まずはそれぞれの違いから解説します。
| 項目 | ワークマネジメント | ピープルマネジメント |
| 焦点 | 売上・KPI | 人・チーム |
| 目的 | 生産性と効率性を向上 | モチベーションと信頼関係を構築 |
| 対象 | タスク、プロジェクト | 個人、チーム |
| アプローチ | 計画、実行、進捗管理 | コミュニケーション、育成、エンゲージメント |
成果として、ワークマネジメントは目標達成や生産性の向上が考えられますが、ワークマネジメントのみでは中長期においては機能しません。
「売上が全てを癒す。」と考える組織ではワークマネジメントが重視されますが、それだけでなく、ピープルマネジメントも取り入れていくべきです。ワークマネジメントは分かりやすいと思うので、ここでの解説は省略しますが、ピープルマネジメントの具体例を次に紹介します。
ピープルマネジメントの活用事例
目的
チームや個人のパフォーマンスを最大化し、組織内の良好な人間関係を築くこと。
社員が組織や仕事に対して情熱を持ち、自発的に貢献したくなる状態を作ること。
メンバーが意見を自由に発言し、ミスを恐れずに行動できる環境を作ること
具体例:
- 定期的な1on1ミーティング: メンバーの課題や目標、キャリアビジョンを話し合い、フィードバックを提供。
- チームビルディング活動: 信頼関係を深めるためのワークショップやレクリエーションの実施。
- パフォーマンス評価の透明性確保: 公正な評価基準を作り、成長のためのフィードバックを丁寧に行う。
- メンタリングやトレーニングプログラム: メンバーのスキルやリーダーシップ能力を育成する。
- モチベーション向上策: 目標達成に応じた報酬やインセンティブ、表彰制度の導入。
上記はあくまでも一例です。売上や数字だけのマネジメントでは中長期において組織が機能し続けることが難しいという当たり前と思いつつ、抜けがちな視点を押さえておくべきです。
ぜひワークマネジメントだけでなく、自社に合ったピープルマネジメントの方法を模索してみてください。
まとめ
「売上が全てを癒す」という言葉は、短期的には正しく見える場合もありますが、組織の長期的な健全性を考えると安易に信じてはいけません。ワークマネジメントだけではなく、ピープルマネジメントも一体として振り返りを行い、中長期に強い組織を目指していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
